睡眠不足で便秘に?腸のぜん動運動を妨げる原因を知っておこう

睡眠不足と便秘
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「睡眠」と「便秘」には深い関係があります。睡眠が不足してしまうと、腸のぜん動運動(腸の動き)が鈍くなり便秘になりやすくなります。一方、便秘も睡眠の質を落とす原因になります。特に女性高齢者、普段からあまり体を動かない人は気をつける必要があります。

ここでは「原因」と「あなたの便秘はどのようなものか?」を解説していき、睡眠の敵である便秘を知りましょう。

睡眠不足になると便秘になってしまう

腸内フローラ

睡眠不足になると腸での便の生成や蓄積が乱れてしまいます。腸内には1000種類以上、500兆~1000兆もの細菌1~2キログラムも棲んでいるといわれています。この集合体を最近では腸内フローラと呼ばれています。

睡眠不足になるとこの腸内フローラのバランスが変わってしまい、肥満を防止するバクテロイデス菌が減り、脂肪を作り蓄えてしまうファーミキューテス菌が増えて肥満便に悪影響を与えてしまうのです。また腸内フローラのバランスが崩れることで、夜の眠気を誘い快眠を促す睡眠物質メラトニンをつくるセロトニンの分泌量が少なくなってしまいます。そのことでさらに睡眠不足が進行して負のスパイラルになってしまいます。

自律神経の乱れ

睡眠不足により自律神経のバランスが乱れてしまいます。腸のぜん動運動を支配しているのは自律神経ですから、腸の動きが鈍くなり便秘につながってしまうのです。これから解説しますが、「けいれん性便秘」に発展してしまうケースが非常に多いのです。

便秘はなぜ、睡眠を妨げるのか?

便秘を解消するには「腸の中のものを出して空っぽにする」ことです。寝ているときは便は胃や腸は周期的に動いていて固形となって尻に近い直腸へと送られていきます。しかし、便秘や寝る前に食べ過ぎてしまうと、腸の動きは本来のよりも緩やかに動き続け、休む時間がなくなってしまいます。そうすることで眠りを妨げてしまい質までも落としてしまいます。

便秘の人は、健康な人と比べて中途覚醒してしまう時間が2倍以上になってしまうことも分かっていて、睡眠が邪魔されてしまいます。また腸の調子がおかしくなると免疫力が下がり風邪もひきやすくなります。

(補足)お母さんの腸内環境が子供にも影響することがわかっています。これは妊娠中だけに限らず育児中も影響を与えてしまいます。つまり母親の食生活が子供の腸に関係しているのです。

便秘であることを自覚しよう

便秘の症状は、以下の4つです。どれか一つでも当てはまっていたら便秘です。

1、残便感がある。
2、3日以上出ない。
3、便が硬くてコロコロしている。
4、スムーズに排便できない。
排便としくみをおさらい
  • 食べたから最短で24時間、最長で72時間で便として排出されます。個人差がある。
  • 小腸(栄養と水分が吸収)→大腸(残りの水分を吸収)→直腸(脳が便意の指令)
  • 便の理想な便とはバナナ型、短時間でスルッとでるのが理想的な排便です。お尻を拭いてもトイレットペーパーに何もつかない状態です。こびりついて何回も拭いてしまう人は水分を多くとってしまっている証拠です。
  • 腸に便が留まる時間が長引き程、出しづらくなる。

便秘の種類は主に5種類

下のグラフを使って自分が「どのタイプの便秘」であるか、確かめてみましょう。


1、症候性便秘

症候性便秘とは「腸内の便が通過する部分に病気がある場合」と、「腸の外にできた腫瘍が腸を圧迫して排便を妨げる場合」の2つがあります。主な病気は、腸ねん転や腸閉塞、腸ポリープや直腸がんや大腸がんなどです。この病気を治さない限り便秘を直すことができないので一刻も早く治療しましょう。これは慢性、または急性の場合があります。

2、直腸性便秘

直腸まで便が下りているにもかかわらず、脳に排便のサインが送られず便意を感じられないのが特徴です。日常的に便意を我慢するのを繰り返したり、浣腸や下剤を使用し続けると脳は便が溜まっている状態を感知しにくくなり便意が起こりにくくなってしまいます。

このタイプは朝の短い時間で、身だしなみを重視してしまう女性に多いです。改善するには、なるべく浣腸や下剤に頼らず、便意が来たらすぐにトイレに駆け込むことが重要です。腸のぜん動運動が低下しているので、活発にさせるために刺激のあるものを食べましょう。

3、けいれん性便秘

ストレスがたまると自律神経が乱れます。自律神経は腸の働きをコントロールしていますので乱れることによって腸が敏感になり、けいれんしたような状態になってしまいます。そうすると便が腸内に溜まって便秘になってしまうのです。

症状は食後に下腹部が痛くなって、便が出たときも細かったり、コロコロしたり、便秘と下痢を繰り返してしまうのが特徴です。これを長期で続けてしまうと過敏性腸症候群という病気になることがありますので、うまくストレス解消をして自律神経を整えることが重要になってきます。腸が緊張して過敏になっているので、できるだけ刺激の少ないものを食べましょう。

4、弛緩性便秘

便秘の中でもっとも多いのがこれです。腸のぜん動運動が鈍くなり、便を押し出す力が弱くなるため腸内に便がたまってしまいます。便が硬くなっていき、お腹が張っているのに出ないという苦しい状態になります。高齢者の場合は、内臓が下に垂れて腸が緩んでしまうことでぜん動運動がしにくくなってしまうからです。

また女性運動不足の人は腹筋が弱いことで排便するときに十分な腹圧をかけることができずに、いきむ力が弱まってしまいます。改善するには日頃から運動をして、腸の動きを活発にする必要があります。腸のぜん動運動が低下していますので、直腸性便秘の人と同じで刺激のあるものを食べるようにすると便秘を改善できます。

5、一過性単純性便秘

ある期間や周りの環境が変わることで一時的にストレスをうけて便秘になります。これは行事、旅行や外出、食べるものが変わることで起きてしまいます。ストレスがたまりすぎると、けいれん性便秘に移行してしまう可能性があります。環境が戻れば便秘も治ります。

(補足)直腸性便秘と弛緩性便秘の人は、冷たい水牛乳を朝起きてすぐに飲んで胃腸に刺激を与えて活発にさせましょう。また便のかさを増す食物繊維を積極的にとって食事の時間をしっかり決めて、排便のリズムをしっかり作ることが何より重要です。日頃から食事にクエン酸香辛料などの刺激物をとることで腸を刺激で便秘の改善につながります。

弛緩性便秘の人は、胃腸に刺激を与えてしまうような食べ物は避けましょう。刺激のあるものとは、冷たいもの、熱いもの、脂っこいもの、辛いもの、アルコールやカフェインなどです。少量なら構いませんので過度にならないようにしましょう。また気を付けてほしいのは弛緩性便秘の場合は、キノコ類などの不溶性食物繊維を大量にとることはよくありません。ちゃんと規則正しい食事を心がけましょう。

女性と高齢が便秘になりやすい訳とは

次のグラフは、年齢・男女それぞれ1000人に対して便秘だと訴える人の統計です。

女性が便秘になりやすい理由は「女性ホルモン」と「冷え性」

女性ホルモン

女性ホルモンには、「排卵・受精に備えるホルモンである卵胞ホルモン」と「受精卵を守るための子宮内膜を厚く丈夫にする黄体ホルモン」があります。この黄体ホルモンが腸の動きを鈍くして、ぜん動運動が鈍くなり便を出しにくくなってしまうのです。そのため生理前10日前後に便秘になってしまいます。

また妊婦さんも、妊娠中は黄体ホルモンの分泌が盛んになるため便秘になりやすいのと、大きくなった子宮が腸を圧迫することでも便秘になってしまいます。そういう場合は産婦人科で相談して便秘薬をもらうようにしましょう。

冷え性

女性の多くは冷え性です。冷え性とは血液の循環が悪くなり、体の末端まで血液が行き届かなくなることで体が冷えてしまうことです。男性の場合は筋肉が多く、体内で熱を作りやすいため冷え性になりづらいです。女性は熱をつくる筋肉が少ないのです。体が冷えると内臓が冷えることになります。そうすることで胃腸の働きも悪くなってしまい便秘になってしまうのです

また、「女性はファッション上に肌を露出する機会が増えることで体が冷える」「ガードルなどで無理に締め付けることで血行が悪くなる」「美容のためにダイエットすることで女性ホルモンや自律神経のバランスが乱れてしまう」ことで冷え性につながってしまいます。

高齢者が便秘になりやすい理由

加齢による体の衰えから便秘を招きます。筋肉が衰えると、腸の周りの腸腰筋も衰えてしまい排便する力が弱まってしまいます。また直腸や膀胱、尿道、子宮を支えている骨盤底筋群が排便時に緩むことで排便しやすくなるのですが、加齢とともに伸縮性を失ってしまいます。便意がきても肛門がゆるまず、排便が困難になってしまうのです。改善策は膣や肛門に力を入れたり緩めたりする動きを繰り返すことで骨盤底筋群を鍛えるしかありません。


また高齢者で今までいきんで排便をしていた人は直腸と膣の間にある壁が弱くなって、袋状のようなものができてしまいます。排便時にいきんた力が袋の方向に向かってしまい便が出にくくなってしまう病気が直腸瘤です。これは加齢と体質によるものが多いですが手術で治療できるので肛門科に受診してみましょう。

まとめ

あなたの便秘はどれに当てはまりましたか?睡眠不足による便秘が引き起こされ、またいかなる便秘でも睡眠の質を下げてしまうので早めの対処が必要です。自分の場合は、ストレスを受けやすく発散するのが苦手なので「一過性単純性便秘」が「けいれん性便秘」に変わって起きていることが分かりました。

睡眠不足により便秘になるのは自業自得な部分があるので納得はしますが、不規則な生活をしていない女性と高齢者は便秘になりやすく、それにより睡眠の質が下がってしまうのです。なんか可愛そうに思えますが、そこは感情的にならずしっかり対策をうつことが大切になってきます。

やはり「どう腸を動かすか」がカギを握ってくるのです。

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